転職または脱サラしたいと考えはじめた、ある相談者Aさんとの対談


「50代会社員Aさんからのご相談」
今回は、転職または脱サラしたいと考えはじめた、ある相談者Aさんとの対談です!
私は、脱サラ起業の先輩として、お話しを聴き、アドバイスをするという立場です!
なので、これ、わかるわぁーと思う方は、ぜひ、最後までお読みください!
それでは、早速いってみましょう!!
対 談
私)今日はどういったご相談ですか?
相)実は、転職または脱サラを真剣に考えています!
私)それはまた、なぜですか?立派な大企業にお勤めなのに?
相)実は、私は今、50代ですが、40代の頃から会社の組織や運営に違和感を感じてモヤモヤしていました。
でも、大企業というステータスが誇らしかったし、給料も同年代の方と比べても、高い方だと感じていたので、そのモヤモヤは見て見ぬふりといいますか、なんとなく脇に置いておいて、目の前の忙しさやプライベートの充実の方を優先して、割り切って仕事をしていました!
私)ですよねー、大企業ですし、きっと、周りからも羨ましいと思われていたはずですよね?!
相)はい、実際、妻も子供もご近所付き合いの中で、鼻が高かったと思います!でも、例の流行り病いで、リモートワークが始まりましたよね?

私)そうでしたね!
相)そしたら、モヤモヤの正体に気づいてしまったんです!
私)えっ!それはなんですか?
相)一言で言うと、全てが虚構で構築されていたということです!
私)なるほど!どうぞ、話を続けてください!
相)虚構とは、大袈裟なことと思われるかも知れませんが、実際そう感じました。
リモートワークが始まると、以前よりも頻繁に、上司から報告を求められるようになりました。
また、オンラインミーティングがダラダラと際限なく長時間続きました。
そして、勤務時間中は常時ネットを繋いだままにして、カメラもオンにしておくように指示されました。
さらに、あの状況下で、何かにつけて、必要もないのに、出社を強要されました。
ことあるごとにリモート飲み会を強要されもしました。
こういったことが、日常になり、段々とモヤモヤがはっきりしてきたのです!
私)なるほど、なるほど。なんか分かります!
相)そして、リモートだと、他の社員とのコミュニケーションが、上司にバレずに出来るんですね!
なので、信頼する先輩や頼りになる同僚に、様々な相談をしながら、業務を進め、外部との契約もすんなりスムーズに行うことができたんです!そしたら、事件が起きました!

私)えっ、なんですか事件て??
相)上司が、「その契約を取り消して来い!」と言うんです!
私)えっ、なんでですか?何か、問題があったのですか?
相)いえ、なんの問題もありませんでしたし、先方もむしろ大変感謝しているくらいでした。
私)なのに、なぜ?
相)はい、非常に幼稚な理由です。その上司が自分が知らないところで、契約がまとまったことに腹を立てた。
もっと言うと、自分の手柄にならない契約が結ばれたことに、納得がいかなかった、と言うことなんです。
確かに、報告が事後報告になったのは、組織上問題だとは認識しています!
しかし、「取り消して来い!」というのは、あり得ないですよね?
皆が認める大きな商談がまとまって、喜ばないはずがない案件です。
それをちっぽけな個人的感情で、むきになって、暴言をな吐くとは・・・本当に情けない。
てっきり、よくやったと褒めてもらえると思ってました。

私)確かに、報・連・相を重視する、縦社会では、許されないのでしょうね。
相)そこです。違和感、モヤモヤの正体!それは、「屋上屋を架す」だったんです!
私)確か、中国の故事ですよね!
相)はい、屋根の上にさらに屋根を架けるということで、元々は無駄なことの例えとして使われますが、まさに、会社組織のことを言っていると思います!
つまり、管理職は、管理をするためにいるというよりは、自分たちが管理をしていることをパフォーマンスとして示すためにいる、ということです!

私)ほほぉ、難しいことを言いますね!ははは!
相)私の持論ではありますが、上司は、部下が働きやすいように、環境を整える、そして、問題が起きた時には、上司が全ての責任を負う、そのためにいるのが上司だと思うんです!
私)ですよね。でも、そんな上司、ほぼ居ないし、昔いた気骨のある方は、もう今や絶滅危惧種ですよね!
相)まさに、おっしゃる通り!
そして、絶望的なのが、部下の手柄を横取りし、自分の上司へのアピールに使おうとする上司です!
自分の出世の道具に、部下を利用するだけ。そして、問題が起きた際には、部下のせいにする。
もはや、ドラマで見たような話が現実に起きているんです。

私)そりゃあ、やる気がなくなりますよね!
相)自分にも、良くない考えがあったとは、反省しています!
私)おや、それはなんですか?
相)一流の大企業に在籍していることへの自尊心、自惚れ、虚栄心、見せびらかしの心があったことですね。
私)でも、有名な大企業に勤めていたら、それは多少、皆持ってしまいますよ!
相)ですね。
同僚も多かれ、少なかれ、そういう気持ちはあると思います。
でも、学校での成績が良くて、学歴が高くて、その延長で、良い会社に就職した私のような者は、この会社に入って、何かしたい、何か成し遂げたいというよりは、早く出世して、金持ちになりたい、老後は安泰な暮らしがしたい、家族に裕福な暮らしがさせたい、近所や友人たちに自慢できる人生を歩みたい、そんな、他人軸、承認欲求の塊みたいな人間だったんです!
私)ですよね。これまでの、日本のエリートたちが考える典型的な人生像ですよね!

相)で、虚構の話に戻りますが、これが、リモートワークが続いた時に、「個人の力」が如実に現れ、そこで勝負しなきゃいけない現実に急に晒されました。
有名な大企業で、都心の一等地に社屋があって、ものすごく立派に見えてしまうという見せびらかし効果という虚像、架空の偉さみたいのが通じない世界をまざまざと、目の前に提示された訳です!
それは、上司にも言えて、今まで、偉そうに見えていた上司がただの人、ただのおっさんになった訳です。
家で仕事するので、みんな、変わらない、偉そうに全然見えない訳です。
なので、本質が晒されました。
私)ああ、分かりますねー!会社で、部下たちを見渡せる位置に、一回り大きな机で、ちょっと怖い顔をしながら、デンと座っていると、必要以上に、偉そうに見えますもんねー。
でも、家では、奥さんの尻に轢かれ、子供達からそっぽをむかれ、ペットにも相手にされていないかも知れませんよね。

相)会社や周りの環境を批判したり、嘆いたりしても、建設的でないので、このぐらいにしますけれども、結局このような事象を通じて会社組織に所属している限り自由なことはできないんだなっていうのがはっきりとわかったんですよね。
まぁもともとわかっていたことではあるんですけども、それがもうはっきりと示されたわけです。
もともと私も先ほど言いましたように出世して金持ちになって、老後は安泰、家族も安泰、そういった暮らしがしたいっていうことで、この会社に入ったわけですけれども、なんかそれが虚しくなってきたんですね。
本当にそれでいいんだろうか。
この世に生を受けて、たったそれだけのために私たちは生きているんだろうか。
そのように考えるに至ってしまったんですね。
まぁリモートワーク中に1人で考える時間も結構あったわけです。
そして調べているうちに、今は定年を前にして、50代でも1人で起業する人が大変多いということがわかってきたんですね。
なので私も、そちらの道に可能性があるのではないか。
もし可能性があるのであればチャレンジしても良いのではないか。
確か有名な起業家さんが言ってましたけども、
「人は失敗したことに後悔するのではない。チャレンジしなかったことに後悔するんだ」
とまさにそういう心境になっていったんですね。
私)非常に立派な考えだと思います。
今の会社勤めに疑問を感じ、新たな道に進もうと模索されている。
その時点で、すでに何か気づきがあって、その考えに立っていらっしゃると思いますので、その考え方自体は尊重されるべきものだと思います。
相)ただ一方で、もちろん起業は簡単ではないし、誰でも成功するなんて保証はどこにもありません。
むしろ失敗する可能性の方が高いのだから、今の会社の給与面での安定というものを捨てる勇気がどうしても必要になる。
安定を求めるんだったら、今のまま会社勤めを続ける方が良いに決まってます。
ただそこには、自由がありません。どちらを選ぶかということですね。
私)おっしゃられたように、起業で成功する保証はどこにもありません。
なので当然リスクはあります。
ただこれは私の私見ではあるんですけども、今の日本で会社を辞めて、起業して、失敗したからといって食うのに困るということはないのではないかと思っています。
贅沢な暮らしはできないかもしれないですけども、食べられなくなるほど困窮するということはまず無いんではないでしょうか。
また50代で退職するということを考えると、大企業であればなおさらのこと、それなりの退職金というものがあると思います。
もちろん住宅ローンの返済に充てるっていうことを考えていて、その退職金があてにできないということであれば、話は違ってきますが、もしその退職金が、今後起業が軌道に乗るまでの軍資金として使えるんであればそれはそれで1つの選択肢かなと思います。
相)副業禁止の会社では、本業を行いながら副業で芽が出るまでやってみるっていうことができないので、収入というものを生まずに、自分の考える事業を世間へ認知させていく。
そういった事は今はSNSでできるということがわかっているので、まずはそこから取り組んでみようかなとは思っています。
そういう考えで良いのでしょうか?

私)非常に良い考えだと思います。
まずはおっしゃられたように、ご自身のやりたいビジネスの存在を知ってもらうために、SNSで発信してみる。そして反応を見る。
ファンができるかどうかを見極める。
などの行動が非常に有効だと思います。
ただしSNSによる認知は、広がるのにかなり時間がかかることは覚悟しといたほうがいいと思います。
認知を広げることが1番時間がかかりますし、1番大変なことなんですね。
そこで心が折れてしまって、起業そのものを諦めてしまう。
こういった事例は、枚挙にいとまがありません。
とはいえ本当に、起業を志すのであれば、早い決断、早い行動を肝に銘じておくべきかと思います!
相)分りました。
今日は真摯に相談に乗っていただきありがとうございました。
もう少しよく考えて自分なりに結論を出した上で、また必要に応じてご相談に伺いたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
私)こちらこそ、ありがとうございました。
またの相談をお待ちいたしております。
結 果
このように、今回の対談では、起業を視野に、もう少し本業を続けながら、可能性を模索し、SNS発信はトライしてみることとなりました。
起業を行うのに、本業をしながらSNS発信のみ行なってみる。副業として行なってみる。そして、先に脱サラをして、背水の陣で起業に臨む。人それぞれ、考え方、やり方は異なると思います。
でも、いずれの場合でも、行動を起こし、それを継続しさえすれば、それなりに成果は上がってくる。コレだけは確かだと思います。
今回の対談を通じて、ご自身の起業に対する考え方の参考にしていただければ幸いです!
